GSX-1000GTではなく、ネイキッドGSX-S1000を選ぶ理由
正直な話、新発売されたGSX-S1000GTは優秀です。個性もある。コーナリングなどのピンポイントではネイキッドのGSX-S1000が上回ることもありますが、GTは決して遅くないし『ツーリングバイク』という定義からすると、相当に速い部類に入るバイクです。
冷静に考えれば、16万5000円の価格アップがあるとしても、GTのほうがお買い得なのかもしれません。
だけど、バイク乗りって人々は『それが賢い選択だよ』と言われても、それでは動かない。
快適性とか経済性、使い勝手を重視するクルマなら話は違うかもしれませんが、バイクは『好きだから』乗るものです。
第三者から『え？ GTのほうが良くない？』って言われようと関係ないんです。我々、そういう世界で生きてないので（笑）
先の【中編】のおいて、私（北岡）はGSX-S1000の走りのパフォーマンスについて触れました。
そこで、思い違いをして欲しくない部分が1点だけあります。
それは【中編】でのお話が『バイクの運転が上手い人限定のものではない』ということ。なんせ乗っているのが自称・中級ライダーの私（北岡）ですしね（笑）
ちなみにですが、私がよく使う『自称・中級ライダー』というのは別に謙遜ではありません。
私が身を置くバイクの業界というのは、異星人じゃないか？ と思うくらい速い人がゴマンといるのです。元プロライダー、とか、レースやってました！ なんて人も特に珍しくありません。
そんな環境の中にいる私の感想として、150馬力のストリートファイター『GSX-S1000』は楽しい！って思えるバイクなんです。
本来でれば、普通のツーリングライダーだった私が、MAX150馬力なんていうエグいスポーツバイクを扱えるはずがありません。振り回されるのが関の山。
ところがGSX-S1000ときたら……楽しいんだ、これが。
電子制御だけじゃない、車体設計を含む最新の技術は、モンスターバイクを私でも楽しめるようにしてくれているんです。
主に錯覚だと思いますが、ものすごいパワーを扱えているような気分になれる！
手強さに打ちのめされない。すごく満足感があるんです、このバイクで走ると。
こんな話が参考になるかどうかわかりませんが、私はバイクにおいて『自分の満足感』は何にも勝ると信じています。
自分自身を思いっきりぶつけて、愛車と走る達成感。GSX-S1000は、それが濃厚。特濃です。
これまで私の中では名機『GSX-S750』がその役割を果たしてくれていましたが、惜しまれつつも伝統のナナハン4気筒は一旦、現行モデルのGSX-S750にて終了となります。
だけどGSX-S1000が、それをきっちり受け継いでる。1000cc＆150馬力のとんでもないバイクだけど、運転していて『走ることしか考えられない』っていうゾーンに導いてくれるんです。
それを知ったらね……このバイクにメロメロになるんですよ（笑）
それでいて、このエッジが効きまくりの個性派スタイルでしょう？
俺のバイクは他とは違うんだ！ って気持ちを、走っても、眺めても存分に満たしてくれます。満足しかない。愛車にしたら、きっと、とことん愛せます。
そして！
（下に続きます）
バイクを選ぶ理由に、それ以上のものって必要なくないですか？
GSX-S1000GTは確実に素晴らしいバイクなので、間違いなく多くの人に支持されると思います。私もGTを否定するつもりは1ミリもありません。だって最高だもんアレ。
だけどね！
『そんなこと知ってるけど、俺はGSX-S1000が好きなんだよ！』
っていう“理屈じゃ動かないタイプの人”のこと……
私はけっこう、好きですよ？
よろしければ最初の【前編】からお読みくださいね！
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