SUZUKI GS1000(1978年)
「750ccから1000ccへ! 世界的なレースでも勝利した空冷4スト4気筒」
1976年にスズキとして初めて750ccの空冷4ストロークDOHC2バルブ直列4気筒を搭載した大型バイクとして登場した「GS750」は、車体の軽さとニュートラルなハンドリング特性により、トータルバランスに優れたマシンとして、日本はもとよりアメリカなど海外でも高く評価されることになりました。
しかし、世界では更なる大排気量車が主流になりつつあったため、スズキは当時のフラッグシップモデルであったGS750のエンジンの大排気量化を決断。
GS750が登場したわずか2年後の1978年に登場したのが、今回紹介する『GS1000』です。
1978年頃の日本には、国内で発売するバイクの最大排気量が750ccまでというメーカー自主規制があったため、GS1000は輸出仕様モデルとして開発。
スズキ初のリッターバイクとして登場したGS1000は、997ccの空冷4ストロークDOHC2バルブ直列4気筒を搭載しながらも乾燥重量は234kgという、当時としては驚異的な軽さを実現したマシンでした。
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車体の軽さを追求しつつも、高剛性なフレームにするために大径&薄肉のパイプフレームを採用したほか、キックスターターを廃止してセルモーター始動のみにするなど、徹底的な軽量化を施しています。
GS1000の最高出力は8000回転で87馬力、最大トルクは6000回転で8.5kgmを発揮するハイパワーなエンジンで、レースシーンでも好成績を納めます。
1978年にGS1000のカスタムマシンでAMAデイトナレースに出走したヨシムラ・スズキは、いきなりのデビューウィンを果たし、さらに同年7月の第1回鈴鹿8時間耐久レースでも優勝!
現在のEWC世界耐久選手権でもヨシムラ・スズキは後継モデルとなるGSX-R1000Rで勝利を納め続けています。
現行車に例えるならどんな車種?
さて、ここからはあくまでもスズキのバイク編集部 岩瀬の個人的な主観で「現在のバイク」に置き換えてみる妄想企画です。
もし今のスズキ現行車種で選ぶとしたら、GS1000の現代版とも言える『GSX-S1000』と比較してみたいと思います!
スズキのスポーツバイクの代名詞となったGSXシリーズは、その後レーシングスタイルのマシンは「GSX-Rシリーズ」、ストリート&ネイキッドスタイルのマシンは「GSX-Sシリーズ」へ区分されています。
2015年にスズキの新しいストリートファイターモデルとして登場したGSX-S1000は、2021年モデルでフルモデルチェンジされ、シャープでアグレッシブなスタイリングに一新。
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電子制御スロットルやパワーモード、クイックシフターの採用など、最新の電子制御システムを搭載し、スズキのスポーツネイキッドのフラッグシップモデルとして登場しました。
GSX-S1000の最新モデルは、レギュラーカラーとなるトリトンブルーメタリックに加え、スタイリッシュなグレースタイルの「グラスマットメカニカルグレー」とシックな「グラススパークルブラック」がラインアップされ、3色展開になっています。
GS1000のDNAは、現在でもGSX-S1000に受け継がれているんです!