あまりにもパワフルで新型『カタナ』じゃないみたい……
高速道路からワインディングへ。いよいよ、というか最初の街乗り編で感じた『初期型とは全然違うパワー感』の本領を感じられる時間がやってきました。
あったかくなってきて、路面温度も安定。
この日は大型バイクの走りを試すには絶好のシチュエーションでした。
そして『ウフフフ……今日は楽しめそうだナァ』なんて、ヘルメットの中でひとりニヤつきながらワインディングへ突入!
身体をタイヤをほぐしながら、まずはドライブモードB(ベーシック)で様子見です。
まぁ正直、Bモードで走るワインディングはわりと平和。
もちろん150馬力のエンジンなので速いんですが、パワーの出方に唐突さが無いうえに、リラックスしたライディングポジションもあって、気分的にあまりがっつく気になりません。
スイスイと気軽にコーナーを駆け抜けていく感じ。初期型カタナはそうやって走っているのが楽しいバイクで、Bモードで走るかぎり、その楽しさは第二世代でも変わることはありませんでした。
だけど今回の焦点はAモード。初期型とは違う本当の意味での『フルパワー解放モード』です。
これがまた……率直に言って、ちょっと手強い!?
情けない話ですが、最初はぜんぜんうまく走らせられませんでした。
ブレーキング終了のアクセル全閉状態からほんの1mm開け足して、加速体勢に移る時。そこは流石に電子制御スロットルのおかげでスムーズなんですが、大きな差を感じるのはその先で、アクセルを開けていくと……強烈にカッ飛ぼうとしやがる(笑)
新型カタナが、化けた?
で、その時に身体が置いていかれちゃう。その結果、ハンドルにしがみつくような体勢になっちゃってマトモに乗れない。いやこれパワフルすぎでしょ!?
なので、いろいろ試行錯誤。自分の中にあった『新型カタナの走りのイメージ』は一旦すべて破棄です。
できる限り低く伏せてみたり、大げさに腰の位置を落してみたり。でもなんかしっくりこない。バイクを操っているというより、パワーに振り回されていると言ったほうが正しい状態でした。
そして最終的に辿りついたのは……
わりと普通に乗る、という走らせかた(笑)
イン側に身体をもっていく場合も大きく腰をズラさない。なんならヒザは開かなくてもいい。ちゃんと下半身でバイクをホールドする意識を最優先して走る感じ。
それこそリーンウィズでしっかり二―グリップして走るほうが軽快に操れる印象でした。
もしくは股の下でバイクを振り回すようにリーンアウトで乗るのもいい。
ひとつのコーナーに狙いを定めすぎずに、連続するコーナーをテンポ良くさばいていくような走りです。
速度の高いコーナーでは軽いリーンイン、切り返しにスピードが必要な時はリーンアウトで切り抜けて、迷ったらがっつり膝で車体をホールドしてリーンウィズで飛び込む。
『あ、これ普通にめっちゃ速いわ』
途中からそう思うようになりました。ちなみに言うと、操作が忙しくなる狭い峠道などは、さらに戦闘力を発揮するタイプと思います。なんていうか、すごく臨機応変?
もうひとつ言っておくと、そういう乗り方でコーナーをガンガンさばいていけるのは、タイヤの変更によってフロントの接地感が向上していることも大きいと思います。
アップライトな乗車姿勢も手伝って、フィーリングとしては初期型と同じく、リアタイヤ1本で走るようなイメージはそのままなんですけど、きちんとフロントがグリップしていることが前より強く感じられる。
その結果、初期型よりもコーナーの奥までグイグイ車体を押し込んでいけるんです。
しかも上半身が起きているから視野も広い。パワーに身体が馴染むまで少し時間がかかったけど、慣れてくると走りに『怖さ』が無いことにも気付きました。
(下に続きます)
なんかカタナ……ずいぶんキャラが変わったナァ。
この第二世代に乗ったら『カタナって見た目重視のバイクじゃないの?』なんて口が裂けても言えなくなります。
これはいよいよ……真の意味での『カタナ新時代』が幕開けになるのかも!?