キャンプツーリングなど、積載する荷物が多い旅で特に重宝するスズキ純正のスリーケースセット。でもこれ“キャンプをしない人”にとっては必要ないものなんじゃないの?

スリーケース装着でバイクツーリングの自由度は格段に上がる

画像1: スリーケース装着でバイクツーリングの自由度は格段に上がる

純正オプションでもフルパニア仕様にできる「Vストローム250」は、長距離を走るロングツーリングや、持っていきたい荷物が多いレジャーツーリングなどでは、最高の相棒になってくれる250アドベンチャーモデルだと思うんです。

日帰りのツーリングなら荷物が少なくてすみますが、宿泊を兼ねた旅や長距離ツーリングともなると話は全く変わってきますよね。

特に、テントやシュラフ、バーナーやチェアなど、持っていきたい荷物の量が膨大になるキャンプツーリングとなると、3つのパニアケースの積載力や便利さが顕著に現れます。

これは一昨年にVストローム250で行ったキャンプツーリング記事でも実証済み。

なんてったって、Vストローム250に装着できる3つのパニアケースの積載量は、合計で60リットル以上にもなりますから、持っていきたいキャンプグッズをパニアケースに入れるだけで済むので、シートバッグなどで行くキャンプツーリングに比べると、荷物の身支度や撤収も圧倒的にラクなんです。

やっぱりたくさんの荷物が持っていけると言うことは、それだけ“バイクツーリングの可能性”が更にアップさせることができるとも言えます。

画像2: スリーケース装着でバイクツーリングの自由度は格段に上がる

しかし、密を避けられるレジャーとして、キャンプがこれまで以上のブームになっているとはいえ、そもそもバイクでキャンプツーリングをしないライダーだってたくさんいると思います。

多くの荷物が積めるのは確かに便利ですが、旅の荷物の量やスタイルは人それぞれなので「パニアケースが3つも必要ない」と言うライダーも多いはず。

そんな、キャンプをしないライダーにとっても、Vストローム250のスリーパニアは有効なのでしょうか?

今回はキャンプツーリングをしなくても、スリーパニアがあるとどれだけ便利なのかを検証してみたいと思います。

荷物満載でも舗装林道やフラットダートなら楽しめる

画像1: 荷物満載でも舗装林道やフラットダートなら楽しめる

Vストローム250はアドベンチャーモデルではありますが、前後17インチのロードタイヤを履いていますし、サスペンションもオンロード向きの設定になっています。

ですから基本的には、凹凸の激しいダートやガチのオフロード走行に適した足周りにはなっていません。

しかし、250ccの軽量コンパクトな車体と、スタンディング走行も想定されたディメンションは、舗装林道やフラットダート程度なら、ライダー側が無理さえしなければ問題なく通過することはできます。

画像2: 荷物満載でも舗装林道やフラットダートなら楽しめる

これは一般的なロードスポーツモデルより、走れる道やエリアの範囲が少し広がると言えるかもしれません。

では、リア周りの重量増となる荷物満載のスリーパニアを装備している状態では、そのような道を走る場合にどんな影響があるのでしょうか?

今回は純正装着のオンロードタイヤでも不安なく走れる舗装林道やフラットダートで検証してみたいと思います。

画像3: 荷物満載でも舗装林道やフラットダートなら楽しめる

舗装されているとはいえ、整備された一般的なアスファルト路面に比べて、車体が少しガタガタとするような路面もある舗装林道などでは、タイヤ以外にもサスペンションやフレーム剛性などがしっかりしていないと、普通ならスムーズに走ることができないかもしれません。

しかも、荷物を満載に積んだパニアケースを装備している状態です。僅かな凹凸でも車体が振られやすかったりするのでしょうか……?

画像4: 荷物満載でも舗装林道やフラットダートなら楽しめる

しかし、恐る恐る走り出してみると、そんな不安は吹き飛んでしまいました。

前回のコーナリング編でも感じましたが、荷物満載のパニアケースを装備していたとしても、ひとたび走り出せばその重量をあまり感じることがなく走れてしまいます。

多少の凹凸があるフラットダート程度の走行なら、それは変わりませんでした。

これはVストローム250の基本性能の高さとも言えますが、もうひとつの理由として、このスリーパニアケースが「スズキの純正パーツ」として開発されているからでしょう。

バイク本体と同様に、パニアケースを装着した状態でも様々な走行テストが繰り返され、安全基準をクリアできるものでなければ、スズキ純正パーツとしてラインアップすることができません。

画像5: 荷物満載でも舗装林道やフラットダートなら楽しめる

しかも、そんなトップケースと左右サイドケースの3つを「純正として」装着できるのは、250ccクラスだとVストローム250が国内唯一のモデルなんですね。

実はこれって、かなりスゴイことなんです。

重量増となるパーツを車体に取り付けると言うことは、フレーム強度や操縦安定性などにも大きく関わってきますから、その分、車体やパーツもより安全性の高いものを開発する必要があるからです。

パニアケースの重さが走行の妨げになることがほとんど感じないほどの完成度になっているので、フラットダート程度なら荷物を積んでいることを忘れてしまうほど平然と走れてしまいました。

Vストローム250は開発の段階からスリーパニアを装着できるように設計されているのでしょう。

社外品のパーツでは、きっとこうはいきませんよね。

パニアケースがあれば「バイク+趣味」の可能性を広げてくれる

画像1: パニアケースがあれば「バイク+趣味」の可能性を広げてくれる

Vストローム250のような走れる範囲が更に広がるバイクであれば、いつもなら引き返していたような道でもどんどん先へ進んでみたくなります。

フラットダートや舗装林道を抜けると、とっておきの場所に到着しました。

バイクで持っていける荷物が増えると言うことは、それだけ到着した先でも充実した時間が楽しめるというものです。

画像2: パニアケースがあれば「バイク+趣味」の可能性を広げてくれる

筆者の私はキャンプツーリングも好きですが、テントで泊まらずに日帰りで楽しむ「デイキャンプ」も結構好きなんです。

そう、別にキャンプツーリングをしないからといって、自然を満喫できないわけじゃないんです。

荷物が少なければ一見邪魔になりそうに思えるトップケースでも、こうして外して使えば……

画像3: パニアケースがあれば「バイク+趣味」の可能性を広げてくれる

ほら!テーブルとして使うことも可能なんです!

純正トップケースの上部は平らな形状になっているので、このようにテーブル代わりとして使うのも便利です。

キャンプをしないまでも、ちょっとしたコーヒーセットと、折りたたんで小さく収納できるコンパクトチェアを持っていけば、そこがアウトドア・リビングに早変わり!

画像4: パニアケースがあれば「バイク+趣味」の可能性を広げてくれる

このような椅子さえあれば、どこでもアウトドア時間が過ごせる「チェアリング」と呼ばれるスタイルを楽しむ人も増えているようですね。

景色のいい自然の中で、続きが気になる小説を読み耽る……

画像5: パニアケースがあれば「バイク+趣味」の可能性を広げてくれる

外にいるだけで汗ばむ夏が終わり、暑くも寒くもない秋の季節にこそ楽しめる“読書チェアリング”が最近のお気に入りです。

小説なんか家で読めばいいじゃん!と思うかもしれませんが、ツーリング先の外で読む本は不思議と物語の世界に没頭できるんです。

画像6: パニアケースがあれば「バイク+趣味」の可能性を広げてくれる

コレ、是非一度やってみてください。読書チェアリング、小説好きの人ほどハマりますから(笑)

しかも気が済んだらすぐに撤収したり、別の場所に移動したりできるのもチェアリングのいいところ。

(下に続きます)

Vストローム250のスリーパニアがあれば、バイクで運べる荷物が一気に増えます。

「バイク+趣味」の可能性が更に広がりますよ。

次回は、更にすごいVストローム250のアドベンチャー装備について検証してみたいと思います。

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