ロードスポーツの中では『GSX250R』がいちばん安心バイクだと思う
自慢じゃないが、私(北岡)はこのサイト『スズキのバイク!』をやっていることもあって、とにかくスズキ車に乗る機会が多い。
運転技術の上手い下手はちょっと横に置いてもらうとして……最近ではスズキの社員さんとか販売店の人じゃない立場で、これほどスズキのバイクを頻繁に乗っているのは私くらいのものじゃないか? とすら思うようになってきた。
そんな私として最近ふと、感じたことがあったので報告です。
それは『ひょっとしてGSX250Rって全スポーツバイクの中でいちばん“ホッとする”バイクなんじゃないか?』っていうこと。
排気量を問わず、一般的な基準で『ロードスポーツ』というジャンルに属するすべてのバイク中で、GSX250Rがいちばん安心できる。そう思う機会があったんです。
キッカケは普通の街乗り
それは、うちの会社(モーターマガジン社)で別チームが借りていたGSX250Rに乗った時のこと。特に記事にするつもりも無く、普通に『移動のアシ』としてチラッと借りたんです。
わりと久しぶりかも? なんて思ってエンジンをかけて、さぁ行くぞ! とクラッチミート。
GSX250Rはエッジの効いたフルカウルスポーツのスタイリングながら、その中身はとっても優しいバイク。そのことは重々承知なので何も考えず、気楽に発進しようとして……ちょっと驚いた。
『おッ……!? こんなパワーあったっけ!』
GSX250Rの優しさに甘えて、ちょっと雑なクラッチミートになっていたのかもしれませんが、クラッチがつながった瞬間、けっこうグイッと車体が前に出て……軽く驚いた。もちろん危険を感じるようなレベルじゃなけど、いわゆる『250ccスポーツバイクはこれくらいのパワー感だろう』っていう自分の中の基準を確実に上回っていたんです。
思えばGSX250Rにきちんと乗ったのって、もう1年半以上も前のこと。昨年11月に『スズキのバイク!』で変わり種のマスツーリング企画をやった時にもチラッと乗りましたけど、あの時はえらいことになったので、正直バイクのことを気にしている余裕はありませんでした。
でも、あの時もたぶん、このバイクに助けられてたんだろうナァ……って、今にして思いますけど(笑)
その時に思ったんですよね……やっぱこれ、いいな! って。
まず頭に浮かんだのはバイク初心者の人のこと。
長くバイクに乗っていると忘れてしまいますけど、不慣れな頃って発進からのエンストがとにかく怖い。だけどエンジン回転数を上げてクラッチミートっていうのも、もし失敗したら自分を置き去りにしてバイクだけがロケットスタートしちゃいそうで、それも怖い。
ストップ&ゴーが連続する街乗りなんて、そういうシチュエーションだらけ。バイクは楽しいものなのに緊張や不安で楽しめないなんて、もったいなさすぎです。
でもGSX250Rなら、そういう不安はいちばん感じずに済むだろうナァ……って思いました。
他にはないロングストローク設計の250ccエンジンは、おそるおそるのクラッチ操作でも力強く発進してくれます。しかもパワーの出方が優しいので怖くありません。
でもそれなら同じエンジンを搭載するVストローム250にも同じことが言えるんじゃ? と思うかもしれませんが、あっちはホラ……なんだかんだデカい。250ccの枠を飛び出してる。
まぁVストローム250は『男のロマン』なバイクだと思っているので、デカさも魅力なんですけど。
その点で言うとGSX250Rはやっぱり軽くてコンパクト!
スッと跨って、走り出す。一連の流れに違和感がまったく無い。
サイドスタンドからバイクを起こす時も790mmのシート高のおかげで、足つきが良いから力を入れやすい。181kgの車両重量以上に軽く感じます。
で、思ったんですよね……
安心できるバイクって、こういうことなんだろうなって。
なんだかね……ホッとするの、このバイク。走り出す前も、走り出してからも。
バイクの評価記事とかで、よく『リラックスして乗れるバイク』っていうレビューを見るんだけど、GSX250Rはまさにそれ。なんなら世の中に数あるバイクの中でも『リラックス』に関してはトップクラスだと思う。
だからバイク初心者の人には本気でおすすめできます。
だけど!
GSX250Rは単なる『初心者向けバイク』じゃないんです。ツーリングが趣味の私として、それはハッキリ言っておきたい。このバイクはむしろ、なかなかの実力者です。
まずそれを感じるのは高速道路なんですが、街乗り編以上に長話になりそうなので、一旦おしまい。ご興味のあるかたは、続く【高速道路編】にてお楽しみいただければ幸いです!