車体はデカくて重量も230kg、シート高855mmなのに、なぜか街乗りで超フレンドリーなVストローム800DE。だけど、高速道路が快適じゃないと『Vストローム』だとは認めませんから!

800DEのライバルは『Vストローム650』だと思っている

はじめはVストローム800DEの『ガチすぎる見た目』に軽く引いていた私(北岡)ですが、すこし街乗りをするだけで、妙に親近感が湧いてきております。

なんだか21インチの大径ホイールをはいたアドベンチャーバイクっていうよりも、ネイキッドみたいな扱いやすさがある。錯覚かもしれないけど、このバイクを走らせることに対しての緊張感が、街乗りプロセスで一気に溶けたように思えています。

だがしかし……

全国のVストロームファンの人々ならばわかってくれると思うけれど、スズキの『Vストローム』たるもの高速道路クルージングが快適じゃなければ、その血統に連なるものとして認める訳にはいきません。

だってVストロームは250ですら、1日に500ikmくらい走れちゃうバイクなんですからね。

画像1: 800DEのライバルは『Vストローム650』だと思っている

ところがVストローム800DEときたら、まずもってウインドスクリーンが小振りです。ダート走行のことを考えてのサイズ感なんでしょうけれど、こんなちっぽけなスクリーンで高速道路の走行風と戦えるとでも思っているのか?

ご覧なさいよ、先輩がたの逞しいウインドスクリーンたちを!

Vストローム1050に至ってはもはや『盾』な状態。650だって高さや幅は十分だし、最上部の形状を反らせることでさらに防風効果を高めています。

これは少々、Vストローム800DEは分が悪いかな? などと思いました。

でも実際の話は……

画像2: 800DEのライバルは『Vストローム650』だと思っている

……うん、思ったより普通にいい。

小振りに見えるウインドスクリーンながら、きちんと仕事はこなしてる印象。胴体部分への走行風は概ねカットされていたので『風がしんどい』と思うことはありませんでした。

ヘルメットもイメージ的にバイザー付きを被っていましたが、それによる弊害を感じることも無し。風を嫌って、すこし伏せるようなライディングポジションを取るようなこともありませんでした。背筋はまっすぐ。その状態で『十分にアドベンチャーバイクとして快適』というレベルをキープしています。

でもそれ以上に驚いたのが高速道路の安定感!

画像3: 800DEのライバルは『Vストローム650』だと思っている

間隔としてはVストローム650寄りの走行感だけど、まっすぐ走る中でも、街乗りで感じた軽快感のようなものが失われていないんです。

レーンチェンジや加速/減速。800ccのパワーが生み出す余裕も手伝って、軽やかに高速道路を快走できます。

新設計のフレームの剛性感は申し分なし。ストロークが長い前後サスペンションも節度ある動きで「ユラユラと落ち着かない」といった印象もありません。どっしりと新幹線のような雰囲気を出すVストローム650や、ミサイル系の走りをする1050とは、印象の違うクルージング感です。

特に印象的だったのは前後方向のピッチング。アクセルのオン/オフに対して、車体の姿勢がそれなりに変化するものの、それを不快に感じることがまったくなかったんです。

正直、走り始めて10分くらいで前後サスペンションのストローク量のことなんて忘れてました。

このあたりも『オンロードの楽しさをメインに据えている』というスズキのVストローム哲学は徹底されているようです。

画像4: 800DEのライバルは『Vストローム650』だと思っている

例えば高速道路メインで1日1000kmを走ることを目標にするなら、ノーマル状態のVストローム800DEでもそれは十分に可能です。

ただ、その1000kmを『もっとラクな1000km』にしたい人は、純正オプションに用意されているハイスクリーンを入れるのも悪くないかと。

あとはシートとライディングポジションがかなりお気に入りで、そのおかげもあって長時間の走行で、より疲れを感じにくいのだろうと思いました。

ちなみに私(北岡)はものすごい猫背なんですが、このバイクに乗るとなぜか無理なく背筋が伸びる……普段の姿勢の悪さの矯正にも役立つかもしれません。

画像5: 800DEのライバルは『Vストローム650』だと思っている

ちなみに時速100kmの時は6速でざっくり4000rpmくらい。サウンドも静かで疲れないし、エンジンからの不快な振動もありません。

この4000rpm前後っていうのは(ドライブモードAで)パワーが盛り上がるギリギリ手前の回転数といったところで、スムーズなんだけど、アクセルを開け足すことで一気にパワーが取り出せる領域。なので追い越し加速、かなりの快感です。

文句をつけるところが何もない……高速道路上のVストローム800DEは『綺麗にまとめられている』という印象でした。

ていうかこのバイク、本質的には『ダート走行を強めに意識したバイク』なんですよね……それを踏まえると、かなり高い水準のクルージング性能だと言わざるを得ないです。

(下に続きます)

ただし!

Vストローム800DEに乗った感想の中で、いちばん『これくらいスズキなら当然か』と普通に思ったのも高速道路でした。

悪い意味じゃないんです。単純に他の部分がスゴすぎて、逆に普通に思えてしまうという現象が起きてる……

その核心のひとつが、次にお話するワインディングです。

21インチの細い前輪では絶対的なタイヤのグリップ力に不安が残る……はずだったんだけど、なんだか予想と違う結果に!?……

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