良いバイクだっていうのは想像つくけど、いかんせん身内に優秀なバイクがラインアップされすぎてるせいで『ちょっと影が薄い』気がしていたVストローム800が、まさかの……

Vストローム800の『足周り』は、どうやら本気のようだ

偉大なる先達『Vストローム650』とオンロードからダートまで抜群に楽しすぎる兄弟車『Vストローム800DE』の後に続いて発売されたVストローム800。

私(北岡)としては身内に強力なライバルがいるようなものだと思っていたんですが……スズキさん、もしかしてネタを隠してた?

そう言いたくなる理由は先の【ライバル編】で、街を走り出して直後のこと。

思っていたより、一般的なアドベンチャーバイクとしては足周りにしっかり感があったからです。

で、バイクを停めてじっくり細部を観察してみたところ!

画像1: Vストローム800の『足周り』は、どうやら本気のようだ

フロントフォーク、SHOWA製でした。しかもSFF-BPだ。

このフロントフォークの細かい構造などは複雑かつ技術的なものになるので省きますが、私のざっくりした体感では『このフロントフォークを装着したバイクは“前輪の接地感”がかなり頼もしいものになる』という印象があります。

そして、特に「オンロードバイクに向いている特性」だと思っています。

画像2: Vストローム800の『足周り』は、どうやら本気のようだ

なるほど、だからか……街乗りで石畳の路面を走ったこともあり、そのせいですこし硬めに感じたのかと思っていましたが、これで理由がはっきりしました。

こうなるとVストローム800、かなり『オンロードの走りに本気』なのかな? と思えてきます。足周りにちゃんとコストをかけて開発してるってことなので。

で、足周りついでにもうひとつ。

画像3: Vストローム800の『足周り』は、どうやら本気のようだ

タイヤです。

見た瞬間に『ん?』となりました。

ダンロップ製のD614F……なにそれ? D614Fなんて聞いたことないタイヤなんだけど!?

画像4: Vストローム800の『足周り』は、どうやら本気のようだ

実は私、バイクの性格を推測する手段のひとつとして『どんなタイヤが純正採用されているか』を見るようにしています。そこから『このバイクはこういう走りのキャラだから』というエンジニアさんたちの意図が見えるような気がしているので。

だけどD614F、聞いたことがない。あまつさえこのネット社会において『D614F』あるいは『DUNLOP D614F』という単語でWEBで検索してみても……なんと情報がない。今どきそんなことあるの!? って思いましたが、発表当時の海外資料の中にありました。

画像5: Vストローム800の『足周り』は、どうやら本気のようだ

このD614F、どうやら『Vストローム800専用タイヤ』のようなんです。

えっと……スズキさん、これガチじゃないっすか!?

こんなの事前のアナウンスに無かったのに!? と思ってたら、ふと『もう一個』の違いに気が付いた。これも同じく事前のアナウンスは無かったことですが……

画像6: Vストローム800の『足周り』は、どうやら本気のようだ

エンジン下部にサブフレームが無い。

Vストローム800DEは未舗装の道を走破するために、強度を上げる目的でエンジン下部にサブフレームが追加されています。それが無いのは、現状だとオンロードスポーツの『GSX-8S』と同じ。

ということは?

画像7: Vストローム800の『足周り』は、どうやら本気のようだ

見た目はVストローム800DEのスタイリングだけど、フレームはオンロードスポーツの『GSX-8S』と同じ仕様。フロントフォークにはSHOWA製SFF-BPを採用、リアも細かい情報の記載は無かったけどSHOWA製です。

つまり『見た目がVストローム800シリーズなだけ』で、走りはまっすぐ“本気のオンロードバイク”として設計されてる。これには、ちょっと驚きました。

画像8: Vストローム800の『足周り』は、どうやら本気のようだ

あとね、ここにはフレーム剛性とかも関係してくると聞いたことがあるんですが、サイドスタンドから引き起こしとか、バイクを降りての取り回しが体感的にすごく軽い。跨っての足つき性の良さ以上に、実はその『取り回しの軽さ感』に驚きました。

えーと……

これはちょっと、話が変わってきたかも。

(下に続きます)

スズキさんは、我々が考えている以上にVストローム800をオンロードバイクに仕上げてきた予感がする。

その走りはツアラーとして、なのか? スポーツバイクとして、なのか? それを確かめねばなりません。

よし、なんかテンション上がってきたーっ!

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