あくまで軽く走って帰る予定だったショートツーリング計画。しかし、全く疲れない『GSX-S125』でのツーリングは更なるステージへ! もう行けるところまで行ってやる!
『GSX-S125』はツーリングだってお手の物!
個人的には原付二種モデルでのツーリングなら東京から100kmも走れば程よく疲れて帰りたくなるだろう、なんて思っていましたが、待てど暮らせど……というより走っても走っても疲れが来ない。
『GSX-R125』でこの辺りに来た際は同じような時間でもう帰ろうかなムーブに移行していたのですが、ライディングポジションによるものかそこそこの距離を走ってもまだまだ体力が有り余っています。
かなり寒さで体力持ってかれたと思ったんだけどなぁ……。
【ショートツーリング編②】の続きです
時計はまだ12時を回ったくらい。
このまま引き返すのももったいないので、さらに先まで走ってみることにしました。
いま帰れば、帰宅してこっそり昼寝としゃれこむこともできそうですが……いちおう勤務時間内なので走るとしよう。
大月へ抜けて小菅や奥多摩など北へ向かうのも良いですが、東京に近いところなら案外いつでも行けて新鮮味もないし。
というわけで、普段あまり足を伸ばさないけれど個人的に気に入っている「本栖みち」に行くことに。
そうと決まれば早速『GSX-S125』に飛び乗り、富士山を北に迂回するカタチで「本栖みち」の入口がある本栖湖へ向かいます!
途中、富士吉田の街を抜ける幹線道路は3車線あり、地元のクルマはスピードをバンバン出していました。だけどそんな中でも『GSX-S125』なら問題なくクリア、快適そのもの。
サクッと市街地を通り抜けた後、直行するのももったいないと山中湖と並ぶ富士五湖のひとつ、西湖に寄り道。
日当たりも良かったので湖岸で一休み。
静かな湖の畔から見上げる富士山は先ほどとはなんだか見え方が異なり、落ち着いた雰囲気でのんびりとした時間を満喫できました。
……この湖岸も一瞬通り過ぎてからクルっとUターンして来ましたが、大きなバイクだったらそのまま通り過ぎてしまっていたかも?
目についた場所にふらっと立ち寄れるのも軽量でフットワークの軽い原付二種モデルならではかもしれません。
ただあまりのんびりしているとせっかく気温が上がっている時間に目的の本栖みちを走れないので、再びセルスイッチを押し込みます。
そうして到着した本栖湖から国道300号線・本栖みちに入ります。
西湖の湖沿いを過ぎトンネルを潜ればすぐにダウンヒルがスタート!
前回、登りでも『GSX-S125』は十分楽しめると言いましたが……
やっぱり下りの爽快感がハンパない!!!!
下り坂により124ccエンジンの非力さ(大型バイクという知恵の実を食べてしまった人間の私見)をカバーできることで、制動力・コントロール性の高いブレーキを目いっぱい使ってメリハリのある走りを楽しめます!
もう1年以上ここに来ていなかったので道もうろ覚えでしたが、タイトなコーナーが続くダウンヒルでも車体が軽く、クルクル回る『GSX-S125』は不安なく下っていけます。
気づけばあっという間にワインディングを下り切り、道の駅しもべに到着。
地面やタイヤはどうしても温まらない季節ですし、公道なのでアグレッシブな走りをしたわけでもありませんが、今日一番充実した走りを満喫することができました。
やっぱり来てよかった、本栖みち!
しかし、自分のバイクでもこんな日に、こんなところまで出てこようなんて最近は思わなくなっていたので、本当に驚きです。
このバイクなら暖かい日であれば、さらなるロングツーリングもこなすことができるでしょう。
というか、ここまで来ても「ちょっとお尻痛くなってきた?」程度で、まだまだ体力に余裕はあります。
一体どこまで行けるんだ、このバイク⁉
加えて驚いたのが燃費!
結局この日は369.5kmと400m近い距離を走行したのですが、給油量は10.15L。
満タン方式で計算したら39.06km/Lの好燃費でした!
……メーカーの公表しているWMTCモード値は43.5km/Lなので、走りかたによってはもっと伸びるようですが、この距離を無給油で帰って来られたことを考えれば非常に優秀です。
本当にどこまで行けそうだ、このバイク!
そんなことを考えながら道の駅で手を温め、来た道を引き返す手順で帰路につきます。
山中湖に戻ってきたころには陽も落ちかけ、富士山は夕映えに綺麗なシルエットを形作っていました。
以前、岩瀬センパイが『RG50』というちょっぴり古いバイクを現行車に例えるなら『GSX-S125』だ、という記事を書いていましたが、確かに似ているな、と感じました。
『RG50』は私が初めて乗ったバイクなのですが、もちろん排気量やエンジン形式は違うし、機構的にも全く別物。
ですが『RG50』で走っていた頃の、コーナーを抜けるたびに感じたドキドキ、ワクワクした感情が、『GSX-S125』で走っていると鮮明に湧き出してきました。
似ているのは見た目や機構より、バイクとしての在り方だったのかもしれません。
排気量の大きなバイクに乗るようになってから、ついぞ感じなくなってしまったこの感覚を再び味わえたことが、今回一番の収穫だったでしょう。
『GSX-R125』に試乗した際にも思いましたが、『GSX-S125』も一番“バイクの原初の楽しさ”を味わえるモデルに違いありません!
(下に続きます)
思いがけずエクストラステージまで進んでしまいましたが、真冬でもほかのシーズンに引けを取らない充実した走りや絶景を楽しめた『GSX-S125』でのショートツーリング企画は大成功と言えるでしょう!
ただ……。
陽が落ちているってことは、どんどん寒くなっているってことだぁぁぁ!
なんで、昼の時点で引き返さなかった俺のバカ、アホ、マヌケーーー!!!
もう指がちぎれる寒さは嫌ぁぁぁ!
と、そんな事をのたまいつつ、冬の昼夜の寒暖差に悪態をつきながら震えて帰るのもまた冬ツーリングの思い出作りですね!
学生の頃に戻ったみたい……こんなところまで思い出させてもらえるとは。そういう意味でも『GSX-S125』は確実に私の心に残る1台でした!
……みんなは冬ツーリングの時間管理に気を付けよう!
【文:石神邦比古(モーターマガジン社)】