新型『隼(ハヤブサ)』はデザインも機能も大きく進化
ついに全容を現した新型『隼』ですが、前回のスタイリング編に続いてディテールを紹介していきます!
新型『隼(ハヤブサ)』の灯火類はフルLED
まず、いちばん印象に強いフェイスデザインからいきましょう。
灯火類はフルLEDとなりました。
基本は隼らしく縦2灯のヘッドライトで、その両脇をSRAD(Suzuki Ram Air Direct)というダクトが挟みこみます。
灯火類はすべてLEDで左右のライトはポジションランプ兼ウインカーとなりました。
ウインカーを点灯させると……
ポジションランプ部分がオレンジに変わり、ウインカーの役割を果たします。
そしてテールランプもフルLEDです。
赤い部分が常時点灯となり、面発光LEDになっているようです。
ブレーキランプ(ストップランプ)は片側4つのLEDで構成。ウインカーも一体になっています。
近未来感というか……スーパーカーっぽいデザインで個人的にはかなり好きです。
メーターはアナログとカラーTFT液晶の組み合わせ
メーターのレイアウト自体は基本的な部分を先代から踏襲しています。
スピードメーター・タコメーター・燃料計・水温計などがアナログメーターのままなのがちょっと嬉しいところ。燃料計と水温系のメーターリングがゴールドなところが良いセンスです。こういうところにスズキの美学を感じます。
そして真ん中の液晶パネルはフルカラーとなりました。
電子制御系に関しては『今あるスズキの電子制御技術を全部盛り』という状態です。
電子制御に関しては項目が多岐にわたりますので改めて説明しようと思いますが、ここでは概要だけ。
パワーモードセレクターSDMSが『SDMS-α(Suzuki Drive Mode Selector Alpha )』に進化
デフォルトが3モード。その他にユーザーが任意に設定したモードを3パターン保存できるようになっています。
パワーモード(PW)は3段階。後輪のスリップを抑制するトラクションコントロール(TC)、フロントタイヤのリフト(ウィリー状態)を抑えるアンチリフトコントロール(LF)、エンジンブレーキの強さを調整できるエンジンブレーキコントロールを備え、それぞれに制御の介入度を調整することが可能です。
ちなみに高速道路で快適なクルーズコントロールが追加。シフトアップ&ダウンにクラッチ操作を必要としないクイックシフターも装備。そして、普段はまず使うことがない(笑)ロケットスタート装置ローンチコントロールもあります。
ユニークなところではアクティブ スピードリミッターという『ユーザーが自分で速度リミッターを、手元で簡単にかけられる』装置がつくようです。うっかり速度違反防止? 地味に嬉しいかもしれません。
その他、リアルタイムで走行状態を表示するモードもあるようです。
こちらはIMU(イナーシャル・メジャーメント・ユニット)で観測した車体のバンク角などが表示されるようです。まだ詳細の詳細までわからない部分がありますが……
新型『隼』はブレーキが前後連動に!
そしてブレーキはなんと前後連動のコンビネーションブレーキになっています。
フロントブレーキを握れば、後輪のブレーキも一緒に作動するので安定的に強力なブレーキングが可能になります。ちなみに前後連動ブレーキは、慣れるともう無しでは走れません(笑)
制動力に関しては、かなりこだわっている様子です。
キャリパーは第二世代と同じくブレンボ製ですが、最新のものに換装されています。
ちなみにブレーキローターも従来のΦ310mmからΦ320mmに大径化。放熱性も高められているとのこと。
ちなみに『隼』のロゴも変更されています。
車体そのものはチューニングの範疇か?
アルミツインスパーフレームとアルミスイングアームは第二世代から基本的に踏襲されているようです。
この基本骨格に関しては、第二世代の『隼』が愛車の私(北岡)として、現代でもまったく不都合を感じていないので、従来型の踏襲でも納得がいきます。
すでに完成されていると言ったところなんでしょう。
重量は先代の266kgから2kg軽くなり、新型は装備重量で264kgとなっています。
KYB製の前後サスペンションはエンジンの仕様変更に合わせて最適化されているとのことです。
もちろんフルアジャスタブル。電子制御サスペンションは採用されていません。
個人的にはよかったと思います。電子制御サスって、ものすごい高性能で恩恵も大きいですけど、もし壊れたり(もしくは壊したり)したら修理代とかとんでもないことになるのが今の実情ですので……
ちなみに車体側ではありませんが、感覚としては車体側に近いのでここで紹介しますが、アシスト&スリッパ―クラッチが搭載されました。
クラッチ操作も軽くなるし、急激なエンジンブレーキがかかった際のセーフティとしても働いてくれるので、あると無いとでは安心感が段違いです。
ここが核心。エンジン最高出力が190馬力!?
そして、大きな物議を醸しそうなのがエンジン最高出力です。
排気量は従来と同じく1340ccのまま。先代が197馬力だったのに対して、新型『隼』は190馬力となりました。
ほとんどのライダーが(私も含めて)高出力化を図ってくると予測していたはずですが、逆にオトしてきた……
え、遅くなった?
ですが、話はそう単純ではありません。
というか逆に複雑。だけど、私はこれを受けて正直『スズキらしい英断だ』と思いました。
スズキは虚ではなく、実を取ったんです。
最高速の王者だったからこそ、もはや『隼』は、それをひけらかす段階に無いと判断したのでしょう。
だけど、先代よりも速くなってる?
だけど隼の最高速が名目上299km/hなのは、これまでと同じく変わっていないんです。新型は0-100km加速の時間も0.2秒速くなっているし、0-200mのタイムも歴代最速です。
じゃあ、最新バイクの何がどうなってパワーダウンとなったのか?
誤解のないように、きっちりと続編にてお伝えしていきたいと思います。
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