GSX-S1000は新型になって『優しくなった』だけなのか?
電子制御スロットル化による緻密な制御とライディングモードSDMSの搭載によって、従来型とは別次元の扱いやすさを手に入れた新型GSX-S1000。
だけどまさか、高速道路のクルージングまで快適になっているとは完全に予想外でした。
ここまでの道のりで感じた進化は、すべてポジティブなものばかり。
だけどこのバイクは『アップハンドルのスーパースポーツ』と言うべきバイク、GSX-S1000です。進化の裏側で持ち前のスポーティさが失われていては本末転倒でしょう。
そして辿り着いたワインディングは!!!
……小雨かよ。
朝の街乗りは雨上がりの直後だったんですけど、峠に入ってみたら再びパラパラ。
路面はフルウェットではなかったんですが、ビミョーに濡れてる。バイク乗りのみなさんならわかると思いますが、絶妙に嫌な感じです。
なんにせよ最高出力150馬力のバイクを走らせる条件としてはあまりよろしくないので『今日は触りだけでも感じておこう』と思っていました。
フィット感が高い?
ちなみに新型GSX-S1000って、何となく従来型よりもバイクとの距離が近くなったように感じるんです。
扱いやすくなったパワー特性によるところもあると思うんですが、もっと物理的にフィット感が高い。
これはもうアルミ製テーパーハンドルの変更によるものだと思います。
グリップ部の23mm延長、そしてハンドル位置が20mmライダー側に近くなり、角度も見直された結果として、一体感が強くなってる。
ごく自然に『バイクが手の内にあるような感覚』を感じるんです。従来型でも特に違和感はありませんでしたが、新型は『より自然になった』といったところ。
今回は路面状況が優れない状況なので、5段階になったトラクションコントロールの介入度を確かめるべく、直線で意図的に強く加速してみたりもしました。
簡単にフロントタイヤは離陸しようとしますが、介入度がいちばん低い『1』でも素早く優しくトラクションコントロールは平穏を回復させてくれます。
新型『GSX-S1000』がライダーに自信を与えてくれる
そういう『走るにあたっての不安』をひとつずつ削っていくための確認作業が、新型GSX-S1000は何の不安もなくできるんです。ちょっと路面が嫌な感じなのに。
私の場合、このハンドル位置の変更によって『大丈夫、扱える』っていう自信が持てるようになったみたい。こういう感覚的な安心感も、個人的にはかなり重要視します。
これはひょっとして、けっこうイケるのでは?
私(北岡)にとって、確認のためとはいえ、150馬力のバイクのフロントタイヤをわずかでも浮かせるというのはそれなりに勇気のいる作業です。でも新型GSX-S1000はリラックスしたまま、それができる。
驚きました。250ccのバイクじゃないんだから……
専用設計されたタイヤのダンロップ Roadsport 2もいい感じでした。
アタリは柔らかいのに接地感をはっきり感じられるから、走りに不安がありません。
そして、何より自信が持てるキッカケになったのがパワーフィーリング。なんだかスーパースポーツ『GSX-R1000R』に近いような感覚なんです。とんでもないパワーなのに、そう感じさせない優しさがある。
すこしづつバンク角を増やしていく。まだ大丈夫。もうちょっとイケるな。
はじめはそうやって慎重に走らせていたんですが、だんだん……これなら大丈夫! ってなってきちゃって(笑)
最後のほうは、無理はしないにしても、すこし路面状況のことを忘れて走ってました。
だって、楽しいだもん新型GSX-S1000!
新しいタイヤは路面状況の対応幅も広くてスタビリティ感があるし、やっぱり扱いやすくなったパワーのおかげで、ライダー側が積極的にアクセルを開けて安定感を作れるのが大きい。それと、ウイングレットによってフロント側の接地感が増してるのかも!
GSX-S1000が搭載するエンジンは名機と謳われるK5/K6型GSX-R1000のエンジンです。そのスーパースポーツらしからぬトルクの厚さと扱いやすさを持つ名機が、最新の電子制御と出会って、もうひと花咲かせた!
(下に続きます)
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そんな感慨すら覚えています。
従来型GSX-S1000の速さはエッジが効きまくりの鋭いものでした。だけど新型は、鋭いけれど、乗り手を恐れさせることがない速さになった。
これは間違いなく先代よりも速い、速く走らせることができる!
新型GSX-S1000、何だかすごいバイクになっちゃったかも!?