現実問題として考えた際の新型『カタナ』のありがたい部分
さて、そろそろ今回の結論の時間です。
150馬力クラスのパワーをイージーに楽しめて、ファッションとしても、盆栽としても楽しめる新型カタナですが、そうは言ってもお値段160万円コースの高級車。
買うとなれば相応の覚悟が必要です。
バイクっていうのは基本、勢いと情熱で買うものだ!というのが私(北岡)の持論ではありますが、そうは言っても現実的な部分も気になるはず。
そこでちょっと、現実面をクローズアップしてみます。
手乗りカタナ、ではありませんが……このバイクは本当に軽いんです。
重量は215kg。
1000ccの4気筒スポーツバイクとして数字的にもめちゃくちゃ軽いけど、体感的にはもっと軽い気がします。
なので停車時の取り回しとか、気分的には600ccクラスを扱っているような気軽さです。スイスイいける。
ハンドルの高さとシート位置がちょうどいいっていうのもあるんでしょうね。
取り回しが楽チンっていうのは、長くバイクと付き合っていく上では重要ですよ?
重いとそれがツラくて、だんだん乗る機会が減りますからね……
あとは、【前編】でも言ったパワーの扱いやすさと低速の安定感、アップハンドルの乗車姿勢もあって快適性がけっこう高い。
ぶっちゃけツーリングもかなり楽しめるバイクだと思ってます。
新型カタナのスタイルは置かれるシチュエーションを選びません。雄大な自然の中にある新型カタナもいい感じ。
この存在感は、本当にすごいなと思います。
でも長旅だと荷物を積むのが難しそう、って思います?
案外そうでもないみたいなんですよね。
うちのスタッフの旅マニアが、めっちゃでっかいバッグを積んで『イケますよ、コレ!』って喜んでました。
なんなら彼は『これなら、キャンプいけるぞ!』とか言ってたし(笑)
新型カタナのリアまわりはすっきりデザインですが、タンデムシート部分の座面がフラットなので『けっこうシートバッグと相性いいですよ~』とのこと。
旅好きライダーのみなさま、ご安心くださいませ!
ちなみによく物議を醸すタンク容量の件について。
容量12Lしかなくて航続距離が短い……なんて話を耳にしますけど、個人的にはまったく気にする必要はないと思います。
私、若かりし頃に8.5Lしかガソリンの入らないボロボロのバイクで野宿旅+日本一周してました。
120~140kmごとに給油でしたけど、それを苦痛に感じたことは一度もありませんし、今でも大好きで、そのバイクもずっと乗り続けています。
そのバイクに惚れてたから、航続距離なんてどうでもよかった。
スタイル実現のためにタンク容量が少なくなったのなら、逆に望むところですよ(笑)。
むしろ話のネタ……自慢のタネでしかないですね。
『オレのカタナさ~、タンク容量少なくて、ぜんぜん距離走れないんだよ~』って、これはオーナーによる一種の自慢です。言外に他とは違うことをアピールするという高等テクニックだと思われます。
それに愛車って、航続距離とかタンク容量で決めるもんじゃないでしょう?
『カタナ乗り』になるということ
今、新型カタナ(第一世代)との暮らしを満喫しているライダーさんは、きっと発売されて、迷わずこのバイクを購入した人たちなんでしょうね。
これだ!って決めて、そこに決して安くはない150万円以上のお金を出した。
すばらしい決断力。
真剣に新型カタナに惚れていなければ、できることではありません。
でも、だからこそ彼らは、自信たっぷりなんです。
みんな、すごく誇らしげ。
外野が何をさえずろうとも気にしない強さがある。
そしてきっと『オレのバイクは世界一カッコいい』って信じてる。
バイクとしての性能も、スタイルの自由度の高さも、人との関わりも大事だけど……
自分のバイクは最高だ!って思う気持ち以上に尊いものなんてありません。
そういう感覚、バイクが大好きなみなさんなら、わかりますよね?
それってバイク乗りにとって、いちばん大事なことだと思うんです。
他に代わるものがないバイクを選んだからこそ『新型カタナ乗り』たちは活き活きとして見えるんでしょう。
誰の指図も受けずに、自分ルールでバイクを思いっきり楽しんでる。
最近あんまりバイク乗ってないナァ……なんて思ってたりしてませんか?
そんな人は『カタナ乗り』を見かけたら、こっそり観察してみてください。
きっと彼らが眩しく見えると思います。
でも同じようにキラキラ輝くのは特に難しいことじゃありません。
新型カタナに乗ることを選ぶ。それだけ。
(下に続きます)
そうしたら自然にその人も『あの人、カッコいいな!?』って見られる側になっちゃうんですから。
まぁ、それに際して160万円ものお金が必要になる訳ですので、あまりにも無責任な言いようではありますが……それでもたぶん、後悔することだけはないと思うナァ。
逆に、きっと『良いもん買ったな!』って思っちゃうくらいじゃないですかね?