ロードアドベンチャーだけど、アウトドアシーンでも安心感は抜群!
オフロード走行も想定した高い走破性を誇る『Vストローム800 DE』の兄弟モデルとしてラインナップされる『Vストローム800』。
基本はオンロードでの運用を主軸に構成された走行性能ですが、やっぱり「アドベンチャーバイク」にカテゴライズされていると行ってみたくなりますよね、ダート!
ということで、ルートに出現したちょっとしたダートや舗装の荒れた道に分け入ってみました!
が……うーん、やっぱりオンロードメインなんだな、ってことを実感させられました(笑)
ライディングポジション的に、スタンディングの姿勢でも無理なく扱い易い設計になっているので操作自体はオフロードバイクに似た感覚で扱うことが出来ます。
ですが、サスペンションおよびタイヤが大幅にオンロード寄りにセッティングされているので、流石に高い走破性を期待するのは無理がありました(汗)
まぁ、これでダートバリバリ走れるなら『Vストローム800 DE』の存在価値に関わりますからね(笑)
ただ、ツーリングルートに現れたちょっとした砂利道や、キャンプ場などのアウトドアフィールドをちょっと走る程度なら通常のオンロードバイクに比べ安定感があります。
路面が荒れたり汚れたりしていても舗装路であれば高い運動性能を発揮するので、ちょっとした林道を冒険する程度なら十分に楽しめるでしょう!
1台で満足感がハンパない! お金が無くても乗りたくなる『Vストローム800』
『Vストローム800』に丸1日試乗しましたが、全体を通して感じたのは圧倒的満足度の高さでした!
市街地では取り回しを含め、200kgオーバーの大型アドベンチャーバイクとしては重量やシート高の高さを感じさせない扱いやすさがあり、高速道路では大型スクリーンとゆとりある排気量、全域でトルクフルなエンジンにより快適性バツグン。
加えてワインディングでも足まわりの良さや、クイックシフターやSDMSなど電子制御の充実、そしてパワフルなエンジンにより充実したスポーツライディングを楽しむことが出来ました!
もちろん、『Vストローム650』を含めスポーツライディングの性能を推している私ですが、海沿いや高原のツーリングロードをまったり流すようなライディングも姿勢が楽で視界が広いのでとっても気持ちいい!
どれかの性能に欲を出せば、どれかの性能に妥協が生まれるバイクという乗り物において、取り回し・スポーツ性・クルージング快適性等すべてにおいてここまで高水準なバイクに出会ったのは割とはじめてかもしれない……。
中でも、自分を満足させるポイントとして大きかったのはスタイリングですね。
やっぱり新型『Vストローム800 / DE』はスタイリングがカッコイイ!
「Vストローム」の特徴と言えるクチバシデザインをはじめとしたシャープなラインと面で構成されたカウルやシュラウド。
高級感を高めるインストルメントパネル周辺の視界や、上質感のあるシート表皮など各部装備の充実など、ライダーの所有欲を満たしてくれる要素があちこちにちりばめられたバイクだと感じました!
……よく見ると、スズキの公式サイトにもこんな風に書いてあるしな!
今回の教訓。
事前に車両情報はしっかりチェックしよう。
正直、これまで試乗させて頂いたバイクを含めて欲しいバイクなんて山ほどあります。
ただし「無限のお金と置く場所があれば」が前に入りますが。
しかし『Vストローム800』は1台で楽しめることが非常に多く、かつ所有する満足感も高いので、お金が無くても欲しくなる、そう思わせてくれる一台でした!
あぁ、最初はあんなに嫌々始まった今回の試乗でしたが、ひと通り走ってみれば「バイクの楽しさ」をたくさん再確認でき、思考をリセットするいい機会になりました。
(下に続きます)
そうして「気持ちよく走ったし、気持ちよく帰るかぁ」と思ったけどなんだか天気が怪しい……?
……
……
だぁぁぁぁぁぁぁぁ、なんでじゃぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!
予報外れの夕立により下着まで完全にやられた……。
やっぱりバイクなんて、バイクなんて……
ちくしょー! 楽しいなぁ~!!
こんな状況でもそう思わせてくれる、『Vストローム800』試乗は最高の体験でした!
【文:石神邦比古(モーターマガジン社)】