高速道路で250ccらしからぬ安定したクルージング性能を発揮!
フルパニアを装備しているため「やや重たいかな?」と思いつつも、市街地では想像以上の軽快さを発揮した『Vストローム250』。
どうせなら真夏の暑さから逃げるべく、山間部の避暑地へと足を伸ばそうと高速道路に乗り込みましたが……
なんか大型バイクみたいな安定感があるんだけど
本当にコレ250cc?
車両重量191kgと少し重めの車体に加え、パニアケースを装着し、安定志向フロントタイヤ、長いホイールベースというディメンションを採用していることで、高速クルージングにおいて非常に安定感があります。
大きなギャップを踏むとやや揺り返しの収束に時間がかかるように感じたりもしますが、前後ともサスペンションはしなやかな印象で快適そのもの。
強い風が吹いても車体が大きく揺れることもなく、ハイペースな走りでもかなりフロントが安定しているように感じます。
また、アップハンドルの採用による上半身が起きた優しいライディングポジションとなっているため、長時間のクルージングでも腕や肩の疲労を軽減。
アドベンチャーらしさを強調するウインドスクリーンは積み重ねた風洞実験により最適化され、十分な防風性能を発揮。だいたいヘルメットの半分くらいまで、ライダーの上半身をしっかり走行風から守ってくれていました。
ナックルカバーが標準装備されていることで手への走行風も低減してくれていて、寒冷期や雨天のツーリングではかなり重宝しそう!
そんなわけで『Vストローム250』のシートの上は「真夏なので逆にもうちょっと風が欲しい」なんて贅沢なことを感じてしまうくらいにストレスが無い快適な空間でした(笑)
そして、なにより驚いたのはエンジン!
だいたい4500~5500回転くらいに一つ目のトルクの山があり、グッと力強さが増す印象なのですが、それ以降の吹け上がりもよく、高回転までスムーズに回ります。
1万500回転まで回るエンジンは7000回転くらいでもパワーを取り出しやすく、時速100kmからでも力強く加速する。新東名などの120km/h区間での巡行にもしっかり対応しているように思います。
というか、もっとハイペースでも安定してそうな気がします……。
それにしても、この型のエンジンってこんなに“楽しそう”なフィーリングのエンジンっだったっけ?
以前、同型エンジンを搭載する『GSX250R』に試乗した際は、恐ろしいくらいシルキーに回るエンジンだなぁ、とは感じましたが……何というか、もっとフラットな特性のエンジンだったように記憶してます。良い意味で馴染みやすく従順というか……。
でもそういえば、私が試乗したGSX250Rは2023年のエンジン改良が入る前のモデルか。
これはちょっとワインディングも楽しみになってきたかも!
今日は天気も良さそうだし、ササっと目的地へ移動……
だからなんでじゃぁぁぁぁぁぁあ!
さっきまであんなに晴れてたじゃん⁉
どうしてこう、いつもいつも天候は俺に厳しいんだ! 何か悪いことしたか⁉
まぁこの前……勝手に借りた『ジクサー150』で3日間会社から逃亡したりしたけれども……。
【ジクサー150焼きそば探訪記】
それにしたって自分が雨男過ぎてウンザリします。
ちょっと雨にやられた試乗の数々をここに置いておきますね……。
ウインドスクリーンが多少雨から守ってくれたとはいえ、パニアケースに念のためと忍ばせたレインコートを着る暇すらなく、ずぶ濡れにされた高速道路でした……。
(下に続きます)
そうして高速道路を3時間ほど走り抜け、目的のエリアに到着したけれど天候は変わらず雨模様のまま。
ただ、どうやら山の上の方は“曇っている”だけの様子なので、ワインディングを走り抜け、目的の避暑地へ向かいます!
といっても、もうびしょ濡れで避暑どころか寒いくらいだけどな!
To be continued……
【文:石神邦比古(モーターマガジン社)】