間違いのない選択という意味で『Vストローム800』は完璧に近い
そして、私(北岡)は恐ろしいことを考えてしまいました。
ひょっとしたらこの『Vストローム800』こそが、現在のスズキ大型バイクラインアップにおいて、最も買って後悔しないバイクなのでは? ということです。
先の【ワインディング編】でお伝えしたとおり、このバイクの走りのパフォーマンスはリッタークラスの背後すら脅かすレベルに到達しています。
私は常日頃から『新型の隼が欲しい!』と公言しており、2023年末に公開した記事『2023スズキ個人的ベスト3』では、隼とVストローム800DEで2台体制を組めればバイク人生はバラ色確定、などとも言い放っております。
だが、しかし……
もし私が『隼』という呪縛から解き放たれたうえで、バイクを1台だけに絞るとしたら。その時に選ぶのはこの『Vストローム800』のような気がするんです。
実を言えば、今回このバイクに乗るまでは『オフロードも楽しめるんだから、自分で買うなら800DEだろっ!』なんて考えていました。でも、Vストローム800のワインディングが破格に楽しかった……楽しすぎた。
私は基本的に“ツーリング愛好家”なので、別に峠でギャンギャン言わせたいとは思いません。自分が気に入ったバイクで気持ち良くツーリングできれば、それに勝るものはないです。
その点において、Vストローム800は旅バイクとして十分以上に優秀と言えます。
乗り心地もツアラーとして十分に快適だし、ピュアなオンロードスポーツには望めない荷物の積みやすさもだって大事な要素。さらに純正オプションに設定されている「アルミパニアケース」をサイド&トップで装備すればツーリング無双は当然の結果となります。
それに足つき性もツーリングでは重要で、800DEに比べれば、当然ですがこのバイクのほうが安心感がある。付け加えておくと、純正オプションにはさらに低くできるローシートもあります。
そして、乗ってくれる人がいるかどうかは別として『タンデムでツーリング』みたいなドリームシチュエーションが到来した場合も、Vストローム800なら200%楽しめると思う。
前後タイヤの接地感とか走行性能だけじゃない、スズキ『Vストローム』ならではのスムーズなエンジン特性も含めて、このバイクは二人乗り適性も最高だと予測できます。
そのうえでさらに、ですよ?
ソロで軽く走りに出た時も、興が乗ったらバッキバキでいける!
普段の取りまわしだって軽いし……なんかこう、文句をつけるところが一個も見つからないんです。
強いていえば『800DEで感じた“オフロードの楽しさ”を捨てるのか?』ということですが……確かにそれは悩ましい問題。走り終えた後にも、このバイクで「気合でオフロードを走ればOK!」 というイメージは持てませんでした。だって、逆立ちしてもそこはDEの楽しさに敵わないだろうし。
でもね、旅先で予想外に出くわした工事区間のダートとか、キャンプ場とかの“ちょっとした未舗装路”なら十分にクリアできるバイクです。意識的に林道へ突撃したりとかは無いでしょうけど。
で、そうやって考えていくと、冒頭の考えに辿りついちゃうんです。
これは絶対に買って後悔しない。おそらく自分のバイクライフにVストローム800こそがジャストフィットなのでは? と。
スゴいなぁ……
私はVストローム800DEにはじめて乗った時、狂喜乱舞して『最強ツーリングバイクが誕生した!』と言ってます。そして今回、オンロード仕様のVストローム800には、また別角度で感動させられてしまいました。
なんなんだろ? この『Vストローム800』っていうシリーズは。ホントに無敵かよ。
私には「一度、購入したバイクを手放せない」という悪癖があるのですが、複数台を所有できるならVストローム800DEを選ぶと思います。
だけど私のような変人を除外して、所有するバイクは1台!(←こっちが普通です)という環境ならば、先に言ったとおり『Vストローム800』を選ぶ。たぶん、これは間違いない。
(下に続きます)
だってこのバイク、たぶん1日1000kmレベルのツーリングだって普通にできるから。
そして、それができるうえでワインディングが『リッターキラー状態』なんて、これまたロマンがあるじゃないですか。
私はバイクを『夢を叶えてくれる乗り物』だと思っています。それがあることで人生が大きく変わる。少なくとも、私にとってはそういうものです。
そして、このVストローム800には(800DEの時もそうだったけど)ワクワクが止まらなかった。だから、全力で『もう一度』言っておきます。
Vストローム800っていうバイクはね?
絶対に『買って後悔しない1台』だっ!
試乗の現場からは、以上です!