新型『GSX-8S』の立ち位置はどっちだ?
2022年11月8日に海外で発表されたスズキの新型ロードスポーツ『GSX-8S』について、このバイクを目にした時、多くの人が感じたのではないだろうか?
このバイクは生産終了となった傑作4気筒スポーツ『GSX-S750』の後継機なのか、それとも2気筒エンジン搭載車として『SV650』の延長線上にあるバイクなのか……
GSX-8SをGSX-S750の後継機と考える派の根拠としては、まずそのものズバリで車名が『GSX』であること。そしてデザイン/スタイリングがストリートファイター路線なところだ。
いやいやいや……しかしっ!
新型は2気筒エンジンでしょう? だったらGSX-8Sは『SV650』側の路線のバイクじゃないの?
と、このバイクをSV650の延長線上にある存在として捉える人も多い。
かくいう私(北岡)は、海外発表がなされたときに『SV650』の延長線上にあるバイクだろう、と感じた。根拠は海外の資料で、その中の新型エンジン解説に『Vツインエンジンのような』とか『Vツインエンジン同様の』といった記載が散見されたから。
その時は「ずいぶんVツインを意識してるな」といった印象だったため、初出のGSX-8Sの記事にはそう書いている。
なんで『ソレ』が気になるのか?
ちなみに、なんでそこが気になるのかという根本的な話なんだけど、これはスズキファンにとってはわりと重要なこと。
過去の記事にも書いたことがあるんだけど『GSX-S750』と『SV650』というバイクは、100ccの排気量差やエンジン仕様の違い以上に、その『スタンス』が違うからだ。
お時間のあるかたは上記の関連記事を参考にしてみてほしいところなんだけど、ざっくり言ってしまうと『SV650』は走りを楽しむ“ファンスポーツ”といった印象が強いのに対して、『GSX-S750』はアップハンドルのスーパースポーツだと感じるほどに“本格派”だと感じることが理由として挙げられる。
つまり『どっち寄り』なのかによって、新型GSX-8Sのキャラクターが推測できる。だから気になる訳だ。
しかし……
最初にSV650寄りのバイクだと言った私(北岡)の考えは、最近ちょっと揺らいでいる。その理由はVストロームミーティング2022で同エンジンを積む『Vストローム800DE』の開発チーフエンジニアさんと話す機会を得たからだ。
チーフエンジニア番匠さんは『エンジンを掛けて空ぶかしするだけでもワクワクする』と言っていた。その言葉から私が感じたのは、鋭く軽快なエンジンのレスポンスだ。
もし新しい並列2気筒エンジンが、ブォォォーンじゃなくてヴァバンッッッ! と勢いよく吹け上がる2気筒レーシングバイクみたいなフィーリング(わかりにくくてすみません)だったとしたら……それはやはり『GSX-S750』側のバイクということになるのかも……と思い直している。
そういやGSX-8Sはスイングアームもアルミだしな……と考えが変わってきているのだ。
新型『GSX-8S』の論争に決着を!
そこで私は、この(自分の中の)論争に終止符を打つことにした。
新型『GSX-8S』は2気筒エンジンの『SV650』の延長線上にあるのか、4気筒『GSX-S750』の後継機なのか?
その答えが……コレだ!
北岡『あ、もしもし。スズキさんですか? いやぁ、ご無沙汰しております~。あのちょっと聞きたいんですけどぉ、新しいGSX-8Sってぇ、GSX-S750の後継機なんですか? それとも2気筒だからSV650系のバイクなんですかぁ?』
広報担当者さん『国内仕様の詳細などはまだ未発表ですが、現時点では“どちらかに寄っている”ということはありません。リリースにもあるように「ライダーの年齢やスキルを問わず、多様なライディングを楽しめるよう、無限の可能性を提供できるバイク」を目指して開発しており、“まったく新しいバイク”として捉えています』
北岡『あ、どーもーわかりました~。お忙しいトコロにありがとうございました~!……ピッ(終話)』
やってもうたぁ~!?!?
ネタを考えるのが仕事の編集者にあるまじき行為。 自分で一切考えることなく『メーカーのひとに答えを聞く』という思考放棄の最終手段。電話で聞く!を発動してしまったぁぁぁっっっ!!!
(下に続きます)
と、いうことで!
新型『GSX-8S』は“GSX-S750の後継機”とか“SV650側のバイク”じゃなくて『まったく新しいバイク』としてのスタンスで決着!
こんなんでいいのか……だけど今回はこれにておしまいっ!?
現場からは、以上です!