新型『隼』が馬力ダウンしたなんて嘘じゃないのか?
新型になっても、見た目から感じる『隼らしさ』はきちんとそのまま。
2代目『隼』オーナーの私(北岡)としては大いに安心しました。
しかしっ!
私を含め、世の隼使いたち、もしくはスズキファンたちが気にしているのは見た目だけじゃありません。
なによりも気になるのはやはり……
最高出力が190馬力になった
ということでしょう。
数字として見れば、紛れもなくパワーダウン。
最高速の帝王として名を馳せた『隼』様の威厳が、3代目によって損なわれてしまうのではないか?
そう懸念するのは当然のことです……がっ!
これ(←新型ハヤブサ)のどこが馬力ダウンなんだ?
2代目『隼』様を愛するこの身において、誓って言います
速いですって、新型『隼』が完全に。
例えば高速道路。最高速キングたる197馬力の2代目『隼』様、つまり私の愛車のつもりで、いつもどおりポンッポンッと気軽にシフトアップ……
感覚としては『いつもなら、これくらいで時速100km』なイメージ。
だけど、中間加速というか加速感に断然キレがあるんです。オートシフターもあるので、シフトアップの際に生じる加速の停滞も無い。
その結果、時速100kmのつもりでメーターを見ると……うっすら速度違反で捕まりそうなスピードになってて焦った。
新型『隼』はヤバいやつだ、と直感します。
もともと隼は速度感が薄いバイクですけど、それがさらに強化されてます。2代目のつもりで走らせていると15~20km/hくらいオーバーしてる感じ。危ねえ……何が危ないって私の免許が危ない。
新型『隼』に自分で設定する速度リミッター(アクティブスピードリミッター)が新搭載された理由がわかった気分です。
ちなみにこれはパワーモード(SDMSα)をフルパワーの『A(Active)モード』で走らせている時の感想です。
『B(Basic)モード』にすると、かなり2代目に近い感覚で走れる。
でもAモードは2代目とは全然違います。2代目だとズゥオオオォォォ~って、わずかなタメの後に加速していくんですが、新型はスロットルを開けた瞬間からズオゥッ!!!って即座に加速を開始。
この時は3000~6000回転くらいを使っていたんですけど、その回転域の加速力は完全に新型に軍配が上がると言っていいと思います。
だけど『隼』らしさは変わらない
でも、ダイレクトで力強い加速を手に入れたと言っても、やっぱり隼らしい重厚なフィーリングと抜群の安定感は変わってないのが本当に嬉しいところ。
純粋に、シンプルに。隼らしさを残したまま『速くなった』と言えると思います。
事実として新型『隼』は190馬力になりました。だけどそれはパワーダウンした、という表現には当てはまらないようです。
だって、私(北岡)の体感としては、ぜんぜん2代目より速いと感じるんですから。
まぁ、ある程度わかっていたことですけど197馬力が190馬力になったのなんて、ライダーの実感としては誤差みたいなものだってことです。
そもそも最高出力を発生する9700回転まで回そうものなら、とんでもないことになりますので。
(下に続きます)
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なので、よほど大きな国際規格のサーキットでもない限り『190馬力がうんぬん』なんて感じられるものではありません。
少なくとも高速道路で日常的に使う回転域においては断然、新型『隼』のほうが速いです。
ワインディングでの『新型』と『2代目』は勝負にならない
そして、その『速さ』は高速道路を降りて、ワインディングに入ると、もう決定的な『差』になります。
私は以前の記事の中で『私がふたりいて「よーい、ドン!」でサーキットで競争したら……完全に負けると思う』と予測を書きました。
これ、訂正します。
実際に乗ってみた今の感想としては、ワインディングレベルでも絶対に新型『隼』に勝てる気がしません。
まぁ、峠道で競争するのは無意味極まりないですが、そうとしか想像できないんです。
いやもう、完全にお手上げ。
まさかこんなに差が大きいとは……新型『隼』は馬力うんぬんじゃないところで13年ぶん、きっちりと進化してました。
そして、今回ちょっと乗ったくらいじゃ全然底が見えてこない。
新型『隼』の本領、その片鱗を続編にてお届けいたします。むしろ、ここから本番です!