いまのバイクは共通のエンジンやフレームを使っていてもアレンジ次第で全く別のバイクが作れちゃう? 現在の車体設計で主流になりつつある「共通プラットフォーム」で構成されたスズキのバイクを排気量別に見てみよう!今回は125ccクラスです!

心臓部や骨格が同じでも別のバイクを生み出せる「共通プラットフォーム」って?

画像1: 心臓部や骨格が同じでも別のバイクを生み出せる「共通プラットフォーム」って?

近年よく耳にするようになった「プラットフォーム」という言葉は、“土台”や“基盤となる環境”などを意味するワードですが、バイクやクルマの世界でもこの言葉を近頃よく聞くようになりました。

ジャンルの違うバイクでも、同じエンジンやフレームなどを使って、その車種に合うように仕様変更したりリファインさせることで「まったく別のバイク」を生み出してしまう。そうやって作り出されたバイクは「共通プラットフォーム」なんて呼んだりします。

近年ではロードスポーツモデルと共通のエンジンやフレームを使って、全くジャンルの異なるアドベンチャーモデルに作り変えた!なんていうバイクも登場するようになりました。

画像2: 心臓部や骨格が同じでも別のバイクを生み出せる「共通プラットフォーム」って?

もちろん同じエンジンやフレームなどを使って兄弟モデルや派生モデルを作ることは昔からありましたし、共通のパーツを使うことで製造コストを抑えられるというメリットもあります。

しかし、現代のバイクでこの共通プラットフォームによって生まれる車種が多くなってきているのはどうやらコスト面だけじゃなさそうなんです。

バイクのインジェクション化やECUでのコンピューター管理など、特にデジタル面の技術が著しく進んだ現在では、ひとつのエンジンで内部構造を大きく変えずとも様々な出力特性やトルク特性が出せるようになりました。

画像3: 心臓部や骨格が同じでも別のバイクを生み出せる「共通プラットフォーム」って?

そうなると、その車種ごとに専用のエンジンを開発する必要性が少なくなり、開発の段階からジャンルの違う複数の車種を作ることを想定して汎用性のあるエンジン開発やマシン開発を行った方が、ラインアップのバリエーションも増やせます。

また、開発コストをフレームやサスペンションなど他の開発費に使えるなど、製造面でも様々なメリットがありますし、国や排気量ごとに異なっていたプラットフォームを共通化することができるようにもなりました。

ですから「共通プラットフォームで作る = 複数のマシンで共同開発ができる」ということになるわけです。

これって、実はかなりスゴいことですし、その方が私たちユーザーも選べるマシンのバリエーションが増えて嬉しいですよね。

そこで今回はスズキの125ccクラスにラインアップされている共通プラットフォームの技術によって生まれた兄弟モデルや派生モデルをご紹介します。

同じプラットフォームとは思えないスタイルの異なる125ccスクーター3兄弟

画像: 同じプラットフォームとは思えないスタイルの異なる125ccスクーター3兄弟

同じエンジンやフレームを採用しつつも、デザインやスタイルが全く異なるスズキの125スクーター3兄弟には「アドレス125」「アヴェニス125」「バーグマンストリート125EX」の3車種がラインアップ。近年の共通プラットフォームで誕生したこれらの3車種は、見た目のデザイン以外にも様々な違いがあります。

アドレス125

画像: アドレス125

“通勤快速”のキャッチフレーズでお馴染みだったスズキの「アドレス」に、路線変更とも言える大幅なイメージチェンジが行われ、ヨーロピアンテイスト溢れるデザインを取り入れたレトロモダンなルックスに生まれ変わったのが「アドレス125」です。

アドレス125のエンジンは、最高出力が8.7PS / 6,750rpm、最大トルクが1.0 kgf・m / 5,500rpmを発揮。車両重量は3兄弟の中でもっとも軽い105kgになっています。

フロントには高い安定性を発揮する12インチ、リアは10インチのタイヤを採用し、普段使いの街乗りからちょっとしたツーリングまでこなせるオシャレなシティコミューターです。

アヴェニス125

画像: アヴェニス125

エッジの効いたシャープなボディと、スズキのスポーツモデルらしいヘッドライトが印象的なスポーツスクーターが「アヴェニス125」です。

アヴェニス125のエンジンは、アドレス125と同じ最高出力:8.7PS / 6,750rpm、最大トルク:1.0 kgf・m / 5,500rpmを発揮しますが、ECUで出力特性を変更しているため、特に出だしの加速力がよりアグレッシブになっている印象です。

スクーター3兄弟の中ではもっともスポーティな走りが楽しめる1台になっています。

バーグマンストリート125EX

画像: バーグマンストリート125EX

スズキ・ビッグスクーターの代名詞“バーグマン”の名を冠した125ccスクーターとして登場した「バーグマン ストリート125EX」。

原付二種とは思えないほどラグジュアリーで高級感のあるスタイルが特徴。車両価格も他の2台よりも33000円〜44000円ほどアップしていますが、機能性や利便性はワンランク上の仕上がりになっています。

バーグマン ストリート125EXのエンジンは、最高出力が8.3PS / 6,500rpm、最大トルクが1.0 kgf・m / 5,500rpmで、他の2台よりもピークパワーとその発生回転数が僅かながら抑えてありますが、その分、どこまでもゆったりとクルージングできるような安定感のある走りを楽しめるよう味付けになっています。

また「フロントスクリーン」や「リアキャリア」などが標準装備されていて、スズキでは初となる「アイドリングストップ」機能も新搭載されました。車両重量は112kgと3兄弟の中では重めですが、実際に乗ってみると重量を全く感じさせない作りになっているのはさすがです。

125ccロードスポーツはネイキッドスタイルとフルカウルスタイルの選べる2タイプ

画像: 125ccロードスポーツはネイキッドスタイルとフルカウルスタイルの選べる2タイプ

スズキの125cc/原付二種ロードスポーツは、ネイキッドスタイルの「GSX-S125」とフルカウルスポーツモデルの「GSX-R125」がラインアップ。この2台は共通プラットフォームというよりはバリエーションモデルですが、全く同じエンジンとフレームを採用しているにも関わらず、走行性能は別物と言えるくらい違うマシンになっています。

GSX-S125

画像: GSX-S125

125ccのコンパクトな水冷単気筒エンジンを搭載し、スズキを代表するスポーツモデル「GSXシリーズ」の原付二種モデルとしてラインアップされるのが「GSX-S125」です。

アップライトなハンドルのネイキッドスタイル“S125”は、2022年モデルでは最新の排ガス規制に対応し、アンダーカウル形状のデザインも変更されるなどのアップデートが行われました。

GSX-S125のエンジンは、最高出力が15PS /10,500rpm、最大トルクが1.1 kgf・m / 8,500rpmを発揮し、原付二種クラスとは思えないほどに高回転型。エンジンを回して楽しむアグレッシブな走りが楽しめます。

車両重量と135kgで、タイヤサイズは前後ともフルサイズの17インチを採用。シーンよっては格上モデルにも引けを取らないスポーティな走りが楽しめます。

GSX-R125

画像: GSX-R125

スズキ“GSX-R”シリーズの末弟モデルとしてラインアップされている「GSX-R125」は、GSX-S125と同じ125ccの水冷単気筒エンジンとダイヤモンドフレームを搭載した原付二種クラスのフルカウルスポーツモデルです。

風洞実験を重ねて作り上げられた滑らかなフルカウルのボディワークと、スポーティなライディングに相応しいセパレートハンドルを装備しつつ、車両重量はS125と2kgしか変わらない137kgの超軽量モデルになっています。

GSX-R125のエンジンは、最高出力が15PS /10,500rpm、最大トルクが1.1 kgf・m / 8,500rpmで、タイヤサイズも前後17インチのフルサイズを採用しているので、スペック的にはS125と共通する部分がほとんど。

しかし、ライディングポジションの違いやカウルによる風洞効果の影響は大きく、アップライトで街乗りやツーリングがしやすいS125に比べて、前傾姿勢になるGSX-R125は、峠やサーキットのようなコーナリング走行を主として楽しむのに最適化されています。

以上のモデルたちがスズキ125ccクラスの共通プラットフォームで開発されたマシンです。

これらの車種は共通部品を使いながらも、その車種ごとに巧みに味付けを変えつつ、必要なパーツは専用設計で開発するなど、共通プラットフォームのメリットや利便性を活かしながら、全く別のバイクとして楽しめるモデルになっています。

もし、試乗会やショップの試乗車などで乗り比べられる機会があったら是非その違いを確かめてみてくださいね!

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